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むし歯や歯周病などで歯を失ってしまった場合、その一部、あるいは全部を補ってくれる人工物として入れ歯やインプラントがあります。
しかし、入れ歯を作って装着したものの、痛みを感じたり、うまく噛めなかったり、発音がおかしくなったりするなどさまざまな問題を抱えている人も少なくありません。入れ歯でも上手に「噛める!」「笑える!」「発音できる!」コツを習得して、快適な“入れ歯ライフ”を送りましょう!
上下の入れ歯の噛み合わせが悪かったり、歯茎がやせてきてしまっているため
入れ歯の調整が不十分で、きちんとした噛み合わせができていないため
入れ歯が味覚の器官を覆ってしまうため、また入れ歯の材質によっては味覚を感知しにくい
入れ歯を入れているときの違和感に舌の動きが慣れていないため
噛み合わせの調整不足で肩こりや頬の痛みが起きたり、大きさが合わずに吐き気を感じるこの他にも、まだいろいろな悩みを抱えている人は多くいることでしょう。
入れ歯は作ってすぐにその人にピッタリ合うものではありません。新しい入れ歯は、かかりつけの歯科医と二人三脚で数ヶ月に渡る調整が必要です。そうした調整を経て、入れ歯は“自分の歯”になるのです。入れ歯は自然歯とは違い、人工的に作られた「義歯」です。
だからこそ、入れ歯で食事をするにはさまざまな工夫と慣れが必要になってきます。『柔らかいものから慣れる』
入れ歯を入れた当初は、まず「慣らし運転」として食べやすい柔らかいものから食べるようにして、入れ歯で食べることに慣れましょう。『小さく切って食べる』
入れ歯(特に総入れ歯)では、前歯で噛み切ることがなかなか難しいため、一口サイズに切ることで食べやすくなります。『切れ目を入れる』
たくあんやかまぼこ、こんにゃくなどの弾力性のある食べ物は、切れ目を入れると食べやすくなります。『柔らかいものだけを食べない』
入れ歯をしていると、つい硬い食べ物を敬遠しがちになりますが、柔らかい食べ物ばかりを食べていると、歯茎がやせて噛む力が弱くなってしまいます。
咀嚼力の低下で唾液の分泌量が少なくなると、消化作用や抗菌・洗浄作用が十分に働かなくなってしまいます。無理はせず、ですが程よく噛み応えのあるものにもチャレンジしてみましょう。
初めて装着したばかりの口の中では、入れ歯は単なる異物でしかありません。
そのため、ほかの器官とうまく発音のバランスがとれず、はっきりとしない発音になってしまうのです。入れ歯がきちんとその人に合っていれば、慣れるにつれて2~3週間ほどでうまく発音できるようになってきます。・音読を習慣づける
・「さ行」「た行」の発音に注意する
・家族に聞いてもらい、おかしい発音をチェックする
年を重ねるとともに楽しみなことといえば、やはりおいしく食べることだと思います。
自分の歯ぐきに合わせて調整を重ね、少しずつ馴染んでくれば、再び噛んで食べる喜びを味わうことができるのです。入れ歯の歴史は古く、紀元前5世紀頃のレバノンのお墓から、歯を金の針金で固定したものが出土しています。
しかし、現在の入れ歯に近い形のものを早くから使い始めたのは実は日本人で、16世紀(平安時代)に和歌山の尼僧が黄楊(つげ)の木を彫って作った木床の総義歯を使っていたのが最初といわれています。18世紀にはヨーロッパでも総入れ歯が発明されますが、バネで固定して開閉するしくみで、あくまでも装飾用の食事をするには向かないものだったようです。
on 2021年10月15日
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