痛風

  • 痛風「風が触れても痛い」と表現されるほどの激痛が襲ってくることからついた病名、『痛風』。
    かつて日本を訪れた宣教師や外国人医師などによって、明治初期までは「日本にはない病気」として記録されていました。明治以降に日本人も患う病として出現した痛風は、1960年代の高度経済成長期になって急速に増え始め、現在、日本での患者数は約110万人以上と推定され、その予備軍は1,000万人ともいわれています。

    このコロナ禍での自粛生活による運動量の減少やストレス増加で、発症増加のリスクも懸念されています。

  • 痛風ってどんな病気?

    痛風発作に痛がる男性多くは夜中から明け方にかけて、足の親指のつけ根などが赤く腫れあがり、歩けないほどの激痛が突然襲ってくるといいます。
    痛風の発作が起きる年齢は30代から40代が圧倒的に多いですが、発症の準備はそれより前からすでに始まっています。

    痛風発作の原因となるのは尿酸ナトリウムという物質の結晶です。尿酸は体内では分解できない老廃物ですが、1gほどの量が常に体内にあるように調節されています。1日に約700㎎の尿酸が体内でつくられ、それとほぼ同じ量が尿と一緒に排泄されます。
    しかし何らかの理由で、尿酸が体内で作られ過ぎてしまったり、尿へ排泄されにくくなってしまったりすると、おもに手足の末端や関節、耳などにたまっていき、結晶化が起こります。
    そしてこの結晶を異物とみなした白血球が攻撃を始め、組織が炎症を起こすのです。これが激痛の正体です。

    また大きな特徴のひとつとして、この病気は圧倒的に男性が多いことがあげられます。
    これは女性ホルモンのエストロゲンが尿酸の生成を抑制したり、排泄を促したりする作用があるからです。
    閉経後にはその影響が小さくなるため、尿酸値の上昇がみられるようになります。

  • 高尿酸血症と2つのキーワード

    痛風発作を起こす人は、その数年前から体内に尿酸の量が多い状態が続いています。その目安となるのが血清尿酸値(血液中の尿酸の濃度)で、性別、年齢にかかわらず7.0㎎/dlを超えると異常とされ『高尿酸血症』と診断されます。
    高尿酸血症の人は肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病と合併しやすいため、生活習慣を見直していくことが大切です。

    キーワード① 『尿酸値』
    血清尿酸値の正常値のめやすは男性:4.0~6.5㎎/dl、女性:3.0~5.0㎎/dlです。
    検診などで尿酸値が高いことを指摘され、食事に気を使っている人も多いのでは?

    キーワード② 『プリン体』
    肉や魚などに多く含まれるプリン体は体内で尿酸に変化します。また、私たちの体の中で行われている細胞の新陳代謝も、大量のプリン体を作りだしています。
    つい食品に含まれるプリン体の量ばかりを気にしてしまいがちですが、実際は体内の尿酸のうち、食べた食品から摂取されるプリン体は20%ほどだそうです。食品100g中に含まれる総プリン体量

  • 痛風を予防する食事

    *プリン体の多い食品に要注意!
    細胞の新陳代謝で作られるプリン体の量を減らすことができないのであれば、食事から摂るプリン体の量を制限することで尿酸値を減らしていくことを目指しましょう。
    食品100gあたり、プリン体200mg以上含むものを「高プリン食」といい、動物の内臓や青魚の干物、乾物などがこれに当たります。
    1日のプリン体摂取量を400mg以内に抑えることで、尿酸値を上がりにくくすると考えられています。

    *アルコールはほどほどに!
    アルコールの中では比較的プリン体が多めのビールですが、ビール以外のアルコールなら大丈夫、というわけでもありません。
    肝臓でアルコールを分解するためには大量のエネルギーを消費します。その燃えカスとしてプリン体が作られるため、アルコールの摂取自体が尿酸値を上昇させてしまいます。

    *尿アルカリ化食品に注目!
    尿酸はアルカリ性の液体につけるとよく溶ける性質があるため、尿をアルカリ性に保つことで尿酸を溶かし、排泄させてしまおうという方法です。
    アルカリ性食品には野菜や果物、海藻類などがあります。

    代表的な尿アルカリ化食品

    水分をたっぷりとる男性*水分摂取は十分に!
    発汗による脱水は血液中の尿酸濃度を上昇させてしまいます。水分を多く摂ることで尿の量が増え、尿とともに尿酸が排泄されやすくなります。また尿中の尿酸濃度を下げることにもつながり、尿路結石や痛風発作を起こしにくくします。
    1日の尿量は2リットルが目安ですので、水かお茶などで1日3リットル程度たっぷり摂るようにしましょう。

  • *参考:一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 公式サイト他

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