2018.03.015 災害時の口腔ケア
- 2011年3月11日に発生した東日本大震災から丸7年が経ちました。
1995年の阪神・淡路大震災では避難生活における災害関連疾患の問題が顕著化し、被災後に肺炎によって亡くなられた方が震災関連死の24.2%を占めていたとの調査結果もあります。その教訓から、東日本大震災や熊本地震では災害派遣医療チームに歯科医師や歯科衛生士が帯同し、高齢者を中心に口腔ケアや口腔衛生指導が行われるようになりました。
ご家庭で災害時の備えを見直すときには、お口の健康を保つための準備も忘れずにしておきたいですね。
避難生活では、不規則な生活、栄養不良、ストレスで唾液が減るなど、普段より口の中の衛生が保たれにくい状況になります。
阪神淡路大震災の後では、震災前には虫歯が全くなかった多くの子供たちにも多発性の虫歯が確認されました。誤嚥を起こしやすい高齢者では水不足などで十分な歯磨きができないために、細菌の混じった唾液が肺に入って肺炎を引き起こし、残念ながら命を落とされるケースも見られました。避難所で蔓延しやすい風邪や感染症も、口腔ケアによる予防効果が認められています。
繊維質の食べ物を最後に食べるようにしましょう。
例えば、食事がおにぎりとリンゴの場合は、リンゴを後に食べます。
スポーツドリンクやクッキー等は、栄養を取るのには優れていますが、虫歯になりやすいものです。食べた後、水やお茶でゆすぐように一口飲みましょう。
ガーゼや綿棒、ティッシュペーパーなどで歯垢を拭いましょう。拭った後、あれば洗口剤やお茶でうがいをすると有効です。
*コップに水を50CC程入れます。
*口の周りを水で濡らします。こうすることで口角や唇の切れを防ぎます。
*歯ブラシをコップに入れて濡らします。
*歯磨き剤は口を乾燥させますので、水が手に入りにくい時は使わなくても良いでしょう。
*歯磨きをしてコップの中で歯ブラシを濯ぎます。
*コップの水を2回に分けて「ブクブクうがい」をします。多くの水で1回うがいするよりも、少ない水でも2回うがいした方が効果があります。
人前で外すのが恥ずかしかったり、水が不足している等の理由で付けたままにされてしまう場合もあるようですが、1日1回は外して清掃することが大切です。
使い捨てのお絞りや綿棒で拭うとよいでしょう。入れ歯は外したままにすると、口の中の形が変わり入れにくくなる場合もあります。
また噛むことだけでなく、飲食物や唾液を呑み込むのにも入れ歯は役立ち、誤嚥を防ぐことにもなりますので通常通り使用されることをお勧めします。
歯科の健診を受けましょう。気をつけていても歯石や小さな虫歯が出来ているかもしれません。
早期に発見・治療することで、影響を最小限にすることができます。
家族分の歯ブラシを非常用持ち出しバッグに入れましょう。
普段から歯ブラシを持ち歩いて、外食時でも歯磨きをする習慣をつけておくのもいいですね。水を使わないで歯磨きが出来るグッズも販売されています。災害グッズ売り場や、アウトドアグッズ売り場で販売されています。
2018年3月15日 9:00 AM ishigami