2016年1月1日号 入浴の効果
- 2016年、皆さんはどんな新年を迎えられましたか?
暖冬と予想された今シーズンですが、これからが寒さの本番です。そんな寒さがしみる夜は、お風呂のぬくもりが一段と恋しくなってきますね。身体の疲れを癒したりリラックス効果を高めてくれるお風呂ですが、冬の入浴は入り方次第で逆に身体に負担をかけてしまうこともあるので注意が必要です。自分の体調や気分に合った入浴方法で、身体の疲れをとるだけでなくさまざまな効果を実感してみてください。
①温熱効果・・・
身体が温まって血行が良くなります。それにより体内の老廃物や疲労物質の排泄を促し、肩こりなどの筋肉疲労を改善します。*『熱め』と『ぬるめ』、温浴効果の違い*
[38~40℃]
ぬるめのお湯にのんびりと浸かると、副交感神経の働きが優位に。
心臓の鼓動はゆっくりとなり、血圧も低下。筋肉はゆるみ、呼吸もおだやかに。リラックスした精神状態に導いてくれるので、ストレス解消にはぬるめのお湯に長い時間入っているのが効果的。
[42℃以上]
逆に熱めのお湯では交感神経の働きが優位に。脈拍や呼吸も速くなり、活動的に。
朝起きてこれから学校や会社に向かうようなときの入浴には、交感神経が刺激され頭もスッキリ、気分もサッパリするので熱めのお湯が効果的。②水圧効果・・・
水圧によって足にたまった血液が押し上げられて血液の循環を促進します。また、腹部にかかる水圧が横隔膜や肺を圧迫することで一度に体内にとりこめる空気量が減るので、呼吸回数が増え心肺機能が高まります。③浮力効果・・・
水の中では体重はおよそ9分の1程度になります。湯船に身体を沈めているときもちゃんと浮力は働いています。肩までお湯に浸かって全身の力を抜いていても、両腕はぷか~っと浮いているのに気がついたことはありませんか。
ふだん体重を支えている筋肉や関節も浮力によって緊張がほぐれ、心身ともにリラックスすることができます。
*部屋の温度差*
暖かい部屋から寒い脱衣所に入って服を脱ぐと、血管が収縮して血圧は上昇します。その状態で温かいお湯に入ると、今度は血管が広がって血圧が下がります。このような急激な血圧の変化は脳卒中や心筋梗塞、不整脈、立ちくらみの原因になります。*お湯の温度*
加齢によって皮膚の温熱感覚は鈍くなってきます。熱めのお湯に浸かると血圧は上昇して血管に負担がかかるため脳出血を起こしたり、汗をかくことで血液中の水分がドロドロになり血管が詰まりやすくなって脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなります。熱いお湯を好むお年寄りも多いですが、老いは血管にあらわれやすいため注意が必要です。
入浴前には温度計で湯温を測ってから入浴するようにしましょう。
入浴の前後に水分補給をすることで、発汗によって血液粘度が高まり血管が詰まるのを防止してくれます。
長風呂が好きな人は入浴中の水分補給も忘れずに。脱衣所は暖房で、浴室には壁や床にお湯をかけてあらかじめ暖めておく工夫を。
浴槽にお湯をはる時にシャワーでお湯を出しておくのも効果的です。心臓に遠い部分からかけ湯をして身体をお湯に慣れさせ、つま先からゆっくりとお湯に入ります。
こうすることで心臓に負担がかかるのを防ぐことができます。38~40℃くらいのお湯で半身浴をします。お湯はみぞおちの下あたりにくるようにします。
15~30分くらいゆっくり時間をかけて入ると、身体の芯まで温まることができます。
2016年1月1日 9:00 AM admin