2018.11.15 フッ素の働き
- フッ素は私たちの身近に自然に存在する元素のひとつで、多くの食品にも含まれる栄養素のひとつです。
このフッ素がむし歯予防に活用されていることは一般的に知られるようになってきましたが、いったいどんな物質で、歯にどのような効果をもたらすのか、悪影響はないのか?
気になっているけれど実際よくわからない、そんな人も多いのではないでしょうか。
フッ素は自然界の水や食べ物などに広く含まれるミネラルのひとつで、もちろん人体にも存在しています。
特に海中に棲む魚介類や海草には比較的多くのフッ素が含まれていることがわかっています。太古の昔から広く存在する自然環境物質ですから、人間が新しく作り出した薬や添加物とは全く異なるものなのです。
一般的には「フッ素」と呼ばれていますが、反応性の高さから通常単体では存在しません。
ナトリウムと結びついたフッ化ナトリウム、カルシウムと結びついたフッ化カルシウムなどのように、様々な物質と結びついて「フッ素化合物(フッ化物)」として存在しています。
フッ素には
① 歯のエナメル質を強化させ、酸に溶けにくい強い歯にする。
② 歯の再石灰化(溶けだしたカルシウムを再び歯の表面へ戻す)を促進する。
③ 抗菌作用でむし歯菌の働きを抑え、酸の産生を抑制する。
などの効果があります。
私たちにとっていちばん身近なのは、市販の歯みがき剤に含まれているフッ素です。
その他、各自治体や教育機関での集団フッ化物洗口や、歯科医院で任意に行われる定期フッ化物塗布などがあります。
食後の正しいブラッシングで食べカスや歯垢を取り除き、効果的に歯質を強化
毎日、または週に1~2回低濃度のフッ化物水溶液で1分間程度ブクブクうがいをする方法
年に2~4回程度クリニックで高濃度(9,000~12,300ppm)のフッ化物を塗布する方法
WHO(世界保健機関)をはじめとする世界中の専門機関、日本の自治体や多くの団体もフッ素の効果を公式に認めていますが、フッ素の安全性や効果に関して一部研究機関の間では、ずっと以前から議論されています。
どんな薬や、ビタミン、ミネラルであっても、過剰に摂り過ぎれば人体にとっては有害で、フッ素についても同様です。
乳歯むし歯の予防に大きな効果が期待できるフッ素塗布ですが、幼いわが子に与える影響については、お母さんたちの不安も容易に理解できます。
まずは専門家(歯科医師・歯科衛生士)に相談してみてください。フッ素のメリット・デメリットを知ったうえで、ぜひ有効に利用してほしいと思います。
2018年11月15日 9:00 AM ishigami