2019.03.15 口腔がん検診
- タレントの堀ちえみさんが「舌がん」を公表したことで、今「口腔がん」についての関心が非常に高まっています。
「口腔がん」は舌や頬の内側など、歯以外の口腔粘膜のどこにでも発症する可能性のあるがんで、その中で日本人に一番多いのが舌がん(約50~60%)です。
痛みなどの自覚症状が乏しいため発見が遅れることが多く、進行すると食事や会話など生活の基本となる機能が著しく損なわれます。
口腔がんは早期に発見し早期に治療すればこわい病気ではありません。
しかし、他のがんに比べて認知度が低いことや、定期的に検査するしくみが十分に普及していないことなどから、死亡率も上昇し続けています。
発生部位によって、舌がん(ぜつがん)、歯肉がん(しにくがん)、口底がん(こうていがん)、頬粘膜がん(きょうねんまくがん)、口蓋がん(こうがいがん)などに分けられます。
舌の側面や裏側、歯ぐきや頬の内側などの粘膜の表面に、デコボコや潰瘍ができたりします。
自分で見つけることができる数少ないがんですが、ごく初期の症状では痛みを伴わなかったり、口内炎など良性のものとの区別がつきにくいことなどから、症状が進んでから発見されることも多いのが現状です。
各市区町村や歯科医師会でも口腔がん検診(視触診検査)を実施するところが増え始めています。
詳しくは各自治体やかかりつけの歯科医院へ問い合わせてみてください。
歯科医師が直接診て、触れて、口腔内の色調の変化や硬さ、広がりを確認します。
舌を上げたり引っ張ったりする非侵襲性(身体を傷つけない)検査です。
視触診検査の次のステップでは、患部に綿棒などを擦りつけてその細胞が良性か悪性かを検査する細胞診を行います。
細胞診によってがんの疑いが認められると、大学病院を紹介され、麻酔を使って組織を採取し確定診断が下ります。
・口内炎がなかなか治らない
・口が開きにくくなった
・唇や舌がしびれたりする
・舌をうまく動かせなくなった
・粘膜を噛んでできた傷がなかなか治らない
・粘膜のただれや、赤や白のできものがある
・粘膜に固いしこり、腫れ、できものがある
・合わない入れ歯や差し歯があり、当たってできた傷が治らない
・1日に吸うたばこの本数が40本以上で、毎日アルコールを大量に飲む
*当てはまる症状があればすぐにかかりつけ歯科医院を受診しましょう。
1. タバコを吸わない
2. お酒を控える
3.レバーや青背の魚に多く含まれるビタミンB群と、緑黄色野菜を多めにバランスの良い食事を心がける
4. 口腔内を常に清潔にして、セルフチェックする習慣をつける
5. 合わない入れ歯や詰め物、欠けた歯などを治療する
6.かかりつけ歯科医院で定期的に検診する
口腔内の健診率を向上させ、口腔がんの早期発見による死亡率の低下を目指した「口腔がん撲滅運動」が世界中で広まっています。
この機会に、皆さんもお口の定期健診を始めてみませんか!
(口腔がん撲滅委員会サイト:http://www.oralcancer.jp/)
2019年3月15日 9:00 AM ishigami