2016.08.1 夏の水分補給
- 私たち人間の身体は、成人で60~65%、子供では約70%、新生児では約80%が水分でできています。
そして常にこの水分量を維持しなくてはなりません。体内の水分が1%以上失われると渇きを感じ、2~3%では軽い脱水症状が起こります。5%では熱中症などの症状が現れ、10%になると筋肉の痙攣や循環不全が起こります。
そして20%失うと…死に至ります。大量に汗をかく夏の水分補給は特に重要です。「のどが渇いた」と感じるときはすでに脱水が始まっています。渇きを感じる前に水分補給することを心がけるようにしましょう。
人間の身体から排出される水分は、汗や呼吸によって約1リットル、排便・排尿から約1.5リットル、合わせて約2.5リットルにもなります。私たちの平均的な食事から摂取することのできる水分は約1リットルですから、体内で作られる水分0.3リットルを除いても残りの1.2リットルは意識的に飲み物で補給しなければなりません。
体内の水は3分の2が細胞内に存在する「細胞内液」にあり、細胞内の他の成分を結びつける役割をしています。
残りの3分の1は「細胞外液」と呼ばれ、血液やリンパ液、細胞と細胞の間を満たす細胞間液として身体の中を循環しています。この細胞外液がスムーズに循環することによって、全身に酸素や栄養を運び、老廃物や有害物質、ウイルスを体外に排出する働きをしています。
また汗として体温調節の役割も担っています。
私たちの身体には、体内の水分量に対して0.9%ほどのナトリウムを含んだ血液が循環しています。人が生命を維持するためにはこの塩分濃度を保っていかなければなりません。
その重要な役割を担っているのが腎臓です。腎臓は尿として体内の老廃物を除去し、血液のpH調整や、水分量と塩分濃度の調節などを行なっています。★ ★ 気をつけたい! 「自発的脱水」 ★ ★ ★ ★
スポーツなどで大量に汗をかいた時に水だけで水分補給した場合、体が自発的に尿として水分を排泄させようとします。
さらに脱水状態にも関わらず水が飲めなくなってしまうことも。これは、補給した水分にナトリウムが含まれていないと血液中のナトリウム濃度が下がってしまうため、これ以上体液が薄まるのを防ごうとして起こる現象です。
長時間のスポーツで大量に汗をかくときなど、熱中症予防のために電解質を含んだスポーツ飲料がよいとされるのはこのためです。
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「小分け」
のどが渇いたときに大量の水を飲んでも、一度にたくさんの水分は吸収できず、尿として排出されてしまいます。少量ずつ(150~200ml程度)を何回かに分けて摂るようにしましょう。「先取り」
水分補給のタイミングは、水分を多く失う前、例えば入浴や運動の前に“先取り”して飲むのが理想的です。
朝起きたらすぐコップ一杯の水を飲みましょう。睡眠中に失われた水分を補給するだけでなく、身体全体を目覚めさせ、胃腸の働きも活発になるので食欲もわき、便秘予防にも効果があります。
10分間の入浴でかく汗は500mlにもなります。お風呂の前と後にはコップ一杯の水分補給を忘れずに。
「風呂上がりのビール!」は残念ながら水分補給にはなりません。アルコールには利尿作用があり、通常よりも尿の量を増やしてしまいます。
常温の水やハーブティーなどがおすすめ。ノンカフェインのものを飲むと、リラックス効果、安眠効果も期待できます。
2016年8月1日 9:00 AM ishigami