2016.10.15 舌は健康のバロメーター
- あなたは自分の舌を観察したことがありますか? 毎日鏡の前に立つことはあっても、ぐっと鏡に近づいて大きな口を開け、舌の色や形を観察することはなかなかないでしょう。
舌は粘膜に覆われ血管がたくさん集まっているため、昔から中国医学では舌はその人の体質や内臓の状態を映し出す「鏡」と考えられ、「舌診」という健康状態を診断する方法がありました。
舌の表面の細胞は新陳代謝が盛んで、3日ほどで再生するといわれています。そのため、体調の変化に対しても反応が出やすくなります。定期的に舌の状態をチェックすることで、身体の不調のサインや、病気の早期発見につながるかもしれません。
そもそも舌ってどんな器官なのか? 人間の舌は横紋筋(おうもんきん)という筋肉のかたまりです。
ご存知の通り、触覚や味覚の感覚器官であり、食物の咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)、発声などでも重要な役割を担っています。
意外と長くて厚いものが私たちの口の中に収まっているんですね。
舌診では舌の色・形・厚みの他に、舌に付着した舌苔(ぜったい)の色や状態、そして舌の裏側の様子も見ていきます。
舌の表面は乳頭と呼ばれる繊毛状のヒダで覆われています。このヒダは味や食感を感じやすくしており、広げるとたたみ8畳分ほどの大きさになるといわれています。
このヒダに付着した上皮細胞や食べカスのことを、舌に生えた苔のようなことから「舌苔(ぜったい)」と呼び、健康な状態では白く、薄く、均等に舌の表面に付着しています。体調が悪いときや不規則な生活をしていると舌苔がつきやすくなり、黄色や褐色に変色したりします。過度な舌苔は口臭の原因にもなります。
健康な人の舌の状態は、基本的に淡いピンク色で適度な湿り気があり、舌苔が均等にうっすらと付着している状態です。
そして舌の裏には2本の静脈がうっすら見える程度です。健康状態が良好な時の自分の舌の状態をまずはしっかり把握しておきましょう。疲れが溜まってきたり、体調を崩しそうなときの変化をすばやく知ることができます。
舌を観察することで自分でも気づかなかった体調の変化を察知することができれば、早めに生活を改善して本来の健康な状態をすぐに取り戻すことができます。①規則正しい生活と、バランスのとれた食生活
②口の中を不潔にしない
③ストレスを溜めないようにする
④とにかく唾液を出すように心がける
⑤定期的な健診で口内環境を良好に
2016年10月15日 9:00 AM ishigami