2016.12.01 インフルエンザ対策
- 毎年この季節になると心配されるのがインフルエンザの流行です。先日も都心で11月としては観測史上初、54年ぶりの積雪を観測しました。突然の冬将軍の到来に、体調を崩してしまった人もいるのではないでしょうか。
インフルエンザの流行もこれからが本番です。家族全員で日頃から予防を心がけて生活しましょう。
インフルエンザはウイルスによって引き起こされ、人から人へうつります。
発熱や関節の痛みなど、その症状は一般的な風邪とよく似ているインフルエンザですが、風邪に比べて全体的に強い症状が出やすいのが特徴です。のどに違和感を感じておかしいなと思ったら、半日ほどで一気に40度近い高熱にみまわれるというようなことも珍しくありません。抵抗力の弱い幼児や高齢者がかかると、肺炎や脱水症状等の合併症を起こし、重症になるケースもあります。
1)飛沫感染・・・感染者のくしゃみや咳によって、周囲に飛び散った唾液の中のウイルスを吸いこむことで感染。2)接触感染・・・感染者がくしゃみや咳を手で覆った後に、その手でドアノブやスイッチ、つり革などを触り、そこを他の人が触ることでウイルスが手に付着、その手で鼻や口を触ったり、食物を摂取するなどして粘膜に感染。
季節性インフルエンザのウイルスにはA型(H1N1、H3N2)とB型(山形系統、ビクトリア系統)のおもに2種類がありますが、さらに多くの細かいタイプに分かれています。流行するウイルス株は毎年のように変異するため、その年に流行しそうなタイプのウイルスを予測しワクチンがつくられます。
<重症化しやすい人>
*65歳以上の高齢者・・・免疫力が低下しているため「肺炎」を合併することも少なくない。肺炎球菌ワクチンの接種もすすめられている。
*乳幼児・・・重症化すると「インフルエンザ脳症」にかかってしまうことも。毎年数百人が発病し、死亡率30%、25%に後遺症が残るとされる重篤な合併症。<特に体調管理に気をつけたい人>
*妊婦・・・免疫力低下による重症化や、インフルエンザによる発熱で切迫早産になるケースもあるため、妊娠中に感染するリスクを避けるためにも予防接種を。妊娠の全期間において接種可能。
*受験生・・・受験シーズンはインフルエンザの流行時期と重なるため、受験にベストコンディションで臨むためにもぜひ予防接種を。インフルエンザは、ワクチン接種で約80%の発症を阻止できるといわれています。
インフルエンザワクチンは接種してから抗体ができるまで約2週間かかり、ワクチンの効果は5ヶ月ほど続きます。
厚生労働省では12月中旬までに接種することを推奨しています。
栄養と休養を十分にとり、人ごみを避け、外出時にはマスクをつけ、加湿と換気で室内を調整し、外から帰ってきたらうがい手洗いをしましょう。
人にうつさない、うつされないためにも咳エチケットや正しいマスクのつけ方を守りましょう。
地域や集団でインフルエンザが流行し始めていて、38℃以上の発熱、悪寒(さむけ)、関節痛や筋肉痛などの症状がみられたらインフルエンザの発症が疑われます。インフルエンザと診断された場合、インフルエンザ治療薬が用いられます。
自宅では安静にし、十分な睡眠、栄養と水分をとりましょう。また、インフルエンザによって精神症状があらわれることも指摘されています。家族はできる限り目の届くところにいて見守ってあげましょう。
2016年12月1日 9:00 AM ishigami