2017.3.1 女性の排尿トラブル
- 膀胱や腎臓など、泌尿器の病気のひとつに「過活動膀胱」があります。最近の調査では50歳以上の女性の8人に1人が過活動膀胱の症状があることがわかりました。
全国の患者数は800万人以上といわれています。とくに男性よりも尿道が短い女性は、頻尿や尿漏れなどのトラブルを引き起こしやすい傾向にあります。恥ずかしくて誰にも言えないけれど、実は自分も頻尿や尿漏れに悩まされている、という女性も多いのではないでしょうか。
排尿筋(膀胱平滑筋)が過剰に収縮したり過敏な働きをするために、尿が十分溜まってないのに急にがまんできないほどの強い尿意を感じたり、がまんできずに尿を漏らしてしまうことがある、などの症状を示す泌尿器の病気です。
:「頻尿」の症状 ---------------------
□ それまで何でもなかったのに、突然トイレに行きたくなり漏れそうでがまんできない
⇒ (尿意切迫感)
□ 朝起きてから寝るまでに8回以上トイレに行く ⇒ (昼間頻尿)
□ 夜中に1回以上、排尿のために起きてしまう ⇒ (夜間頻尿):「尿漏れ」の症状 --------------------
□ 咳やくしゃみ、走ったり重いものを持ち上げた拍子に漏れてしまう
⇒ (腹圧性尿失禁)
□ トイレにたどり着く直前や、トイレで下着をおろしている最中に漏れてしまう
⇒ (切迫性尿失禁)
☆神経系のトラブル
脳血管障害や脊髄損傷などの病気の後遺症によって、脳と膀胱を結ぶ神経の回路に障害が起きてしまい、排尿筋と尿道括約筋がうまく連携できなくなってしまったため。☆骨盤底筋のトラブル
加齢や出産によって膀胱や尿道、子宮を支えている骨盤底筋と呼ばれる筋肉が弱くなってしまったため。
(骨盤底筋はお腹に力が入ると反射的に尿道口を閉め、尿が漏れないようにしています。)☆その他の原因によるもの
何らかの原因で膀胱の神経が過敏に働く場合や、原因が特定できない場合も多くあります。
☆腹圧性尿失禁に有効な方法
膣や肛門を締める運動を1日に30~50回程度行います。
干渉低周波による電気刺激によって骨盤内の筋肉を強めたり、膀胱や尿道の神経の働きを調整する治療法です。
重度の腹圧性尿失禁にはとても有効な治療法です。
☆頻尿や切迫性尿失禁に有効な方法
膀胱を収縮させるアセチルコリンという物質の働きをブロックさせて、膀胱の過敏な収縮を抑える治療法です。
おしっこをしたいと思ってもしばらく我慢して、尿を溜めるようにトレーニングする方法です。
トイレに行った時間やどのくらいの量が出たかを記す「排尿日記」をつけるのも訓練に有効です。恥ずかしくてひとりで悩みを抱え込んでいては、精神的な面からも症状を悪化させてしまうことになりかねません。
早めに専門機関を受診することをおすすめします。
*便秘に注意!・・・
便がたまると直腸が張って骨盤底筋や膀胱を圧迫するようになります。
また、出ない便を無理に出そうとしていきみすぎるのも良くありません。*肥満に注意!・・・
肥満もまた排尿トラブルのもとです。
肥満によって腹腔内の圧力が高いと骨盤底は下へたわみ、膀胱や尿道を圧迫するからです。食事のバランスを整え、ウォーキングなどの軽い運動で下半身の筋肉を鍛え肥満を予防しましょう。*水分の摂取量に注意!・・・
塩分の多い食事が過剰な水分摂取につながり、それが頻尿を招いている可能性もあるという研究結果も報告されています。
また、頻尿を気にして水分の摂取を極端に控えるのもよくありません。
2017年3月1日 9:00 AM ishigami