2017.8.1 女性ホルモンの乱れ
- 「女性がいつまでも女性らしさを保ち健康でいるためには、女性ホルモンのバランスが整った毎日を過ごすことが重要です。でも女性ホルモンはとても繊細で、ちょっとしたことでもバランスを崩しがちに。
それは女性ホルモンの分泌をつかさどる脳の視床下部が、同時に自律神経の司令塔でもあり、お互いが影響し合っているからです。そのため、月経不順や月経前症候群(PMS)など女性特有の不調だけでなく、イライラや頭痛、肌荒れなどさまざまな体調の変化にも関わってくるのです。
女性がキャリアをもって働くことが一般的になってきた現代社会では、家事や育児との両立、対人関係や仕事の悩みなど、抱えるストレスは増大しています。
知らず知らずのうちにホルモンバランスの乱れによる不調を慢性化させてしまっているかもしれません。ストレス以外にもホルモンバランスの乱れを引き起こす要因があります。
とくに20代から30代といった若い世代では、結婚・妊娠・出産にも大きく関わってきますので要注意です。
夜勤などのシフトによって就寝時刻が定まっていないために一定の睡眠時間が保たれていなかったり、ベッドの中でいつまでもスマートフォンなどを見てしまっていると寝つきが悪くなってしまいます。
偏食やアルコール・カフェイン飲料などの大量摂取もホルモンのバランスを乱します。
とくに急激なダイエットは月経周期異常や無月経などを引き起こしてしまうこともあります。
女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があり、およそ28日の月経周期でこれらの分泌量が多くなったり少なくなったりします。
・月経期・・・ホルモンの分泌量が少なくなる
(体温が下がるため冷えやすい時期)・卵胞期・・・エストロゲンの分泌が高まってくる
(心も身体も安定し、活動的になる時期)・黄体期・・・排卵を境にエストロゲンの分泌が減り、プロゲステロンの分泌が増えてくる
(心身ともに急にだるさや憂うつ感に襲われ、不調になりやすい時期)
ストレスを感じたら、意識してリラックスできる時間をつくるようにしましょう。
何か没頭できる趣味を見つけたり、好きな音楽を聴いたりアロマの香りで心を落ち着かせてゆったり過ごす…など、ストレスを発散するようにしましょう。
良質な睡眠をとるようにしましょう。とくに“眠りはじめの3時間”は重要です。
豆腐や納豆などに含まれる大豆イソフラボンは、エストロゲンの働きを補ってくれるといわれています。
また女性ホルモンの分泌を促すビタミンB6を含むマグロ・カツオ、ナッツ類や、ビタミンEを含むアボカド・カボチャなど、積極的に摂るようにしましょう。
女性の身体と心の健康を生涯にわたってコントロールする「女性ホルモン」。
40歳も過ぎると卵巣機能の低下に伴って『更年期障害』に悩まされる人も増えてきます。日本人は欧米諸国に比べて女性ホルモンの働きや婦人科系の疾患に対しての意識が低いといわれています。
それは婦人科系(子宮頸がん・乳がん)の定期検診受診率が米国では約80%なのに対して、日本ではその半分の40%程度という低さからもうかがい知ることができます。女性ホルモンの働きを理解してバランスのとれた生活を心がけ、生き生きとした毎日を過ごすためにも、婦人科健診も定期的に受診するようにしましょう!
2017年8月1日 9:00 AM ishigami