2017.11.01 スカルプ&ヘアケア
- 抜け毛がもっとも気になる季節は秋…とよくいわれます。
実際、夏のあいだ強い日差しを受け、大量の汗や皮脂を分泌し、エアコンの風で乾燥してしまった髪は相当なダメージを受けているはずです。また夏の暑さで食欲が落ちたり、夏に向けての無理なダイエットがたたり髪の栄養状態が悪化していることも考えられます。ダメージを受けた髪をホームケアで修復したい!そんな女性たちの希望に応えるために、巷ではさまざまなヘアケア商品が注目を集めています。
「美容と健康」の分野では毎年のようにブームとなるキーワードがあります。ここ数年では『ボタニカル』『オーガニック』『ノンシリコン』『アミノ酸系』などでしょうか。
聞いたことはあるけれど、イメージばかりが先行してそれらがどんな特徴をあらわしているのか、じつはよくわからない…なんて人も多いのでは!?
多くの商品があふれている中からあなたが選ぶのはどんなものですか? 髪や地肌にやさしいもの、環境にやさしいもの、髪のクセや性質を改善してくれるもの、パッケージのデザイン? などなど…人によって選ぶポイントも違ってきますよね。最新のトレンドから私たちヒトの皮膚や毛髪にはどんな特徴があるのかを再確認して、自分の好みや髪質に合ったヘアケア商品を探してみてはいかがでしょうか?
毛髪は大きく分けると3層構造になっています。中心部にはタンパク質が主成分のメデュラ、その外側には毛髪の重さの85~90%を占めるコルテックスがあります。そしていちばん外側には、かたいタンパク質が主成分のキューティクルが覆っています。
キューティクルを形づくるのは半透明のうろこ状の組織で、根元から毛先に向かって6~8枚ほどが重なりあい、髪の内部組織を守る働きをしています。
そしてキューティクルの各層の表面にはMEA(18-メチルエイコサン酸)と呼ばれる脂質が覆っていて、毛髪表面の摩擦を軽減したり、なめらかな潤いやツヤを演出しています。
私たちの皮膚表面には「皮膚常在菌(善玉)」が生息していて、汗と皮脂を分解し脂肪酸を生成しています。
この脂肪酸によって私たちの体表面は弱酸性に保たれ、細菌やウイルスなどの病原体の侵入を防いでいます。
病原体以外にも私たちの肌はさまざまな脅威にさらされています。大気のホコリやチリ、紫外線も常に私たちに降り注いでいます。
皮脂膜の下の角質層には「ケラチン」と呼ばれるタンパク質でつくられた「角質細胞」と、角質細胞の周囲を埋めている脂質(主要構成成分「セラミド」)で形成されていて、この層が強力なバリア機能となり、さまざまなストレスから肌を守ってくれています。そして表皮の一番下の基底層では新しい細胞が作られ、それが徐々に角質層まで押し上げられていき、垢やフケとなって剥がれ落ちます。紫外線などのダメージを受け生成されたメラニン色素も、ターンオーバーによって排除されるしくみです。
私たちのからだを覆う皮膚には何段階もの防御機能があり、外物質の侵入を頑強に阻んでくれていることはわかりました。
しかし禁煙補助薬のニコチンパッチのように、医学的には「経皮吸収システム」による薬物の投与法が確立されています。これらの経皮吸収型製剤は、角層のバリア機能を損なうことなく、皮膚への安全性を十分に考慮された上で開発されたものであり、ゆっくりと時間をかけて薬剤を浸透させることで治療効果を発揮します。
経皮吸収率が腕の皮膚と比べて3.5倍ともいわれている頭皮。ヘアケア製品を選ぶときにはシャンプーやコンディショナーの配合成分が気になってしまうという人も多いはず。でも私たちのからだに備わっている強力な防御システムは、そう簡単には突破できない優れものだったのです。
これからの季節、お肌の乾燥が気になってきます。自分に合ったスキンケア・ヘアケアをぜひ見つけてみてください。
2017年11月1日 9:00 AM ishigami