2018.01.015 噛む効果
- 戦後、日本人の食生活は急速に欧米化し軟食傾向になりました。柔らかいものばかり食べていると咀嚼回数が減り、顎の筋肉が衰えてしまいます。
現代の日本人は顎がアンバランスな上に奥行きが十分なく、顎が小さい人が増えています。現代人の顔は昔の人に比べるとほっそりとした小顔なのです。
小顔は外見的にはいいような気がしますが、顎の衰えは私たちの体に大きな影響を与えます。
私たちの歯は、子供のころは乳歯20本(上下10本ずつ)永久歯は28本(親知らずを除く上下14本ずつ)生えます。
しかし顎がきちんと発達しないと、歯がきれいに並ぶスペースが十分でなくなり、歯並びが悪くなってしまいます。歯並びが悪くなると骨格が歪み、歯以外にも肩こりや頭痛などの原因になるなど、体全身へと悪循環が起こります。
「噛む(咀嚼)」ことは食事に欠かせません。
よく噛んで食べると食物を細かく砕き、唾液とよく混ざり合って栄養を吸収・消化しやすくなります。また時間をかけて食べることにより、脳内の「満腹中枢」が刺激されます。これにより満腹感が得られ、必要以上に食べることがなくなるため、肥満を予防することができます。
「よく噛む」ということは顎の成長や消化との関係以外にも様々な利点があります。
スポーツ中継を見ていると選手がガムを噛んでいるのをよく見かけます。
これは噛むという行為が脳の中の感情を司る部位「扁桃体」を刺激し、アドレナリン(興奮を引き起こすホルモン)の分泌を抑制・緊張をほぐす効果があるからです。噛むことはストレスを和らげてリラックス効果を高める働きを持っているのです。
よく噛むことは血液循環を高め、脳に刺激を与えます。
その結果、脳が活発に働くので集中力や記憶力がアップします。よく噛んで食べることは、認知症の予防にも効果的です。
噛むことによって分泌される唾液には自浄作用があり、口の中に残った食べ物やプラークを洗い流します。
よく噛んで食べることは唾液の分泌を促進し、むし歯や歯周病の予防にも役立ちます。
唾液の中には体に良い影響を及ぼすホルモンや酵素が含まれています。
その中にはがんを消す作用を持っているもの、糖尿病の症状を改善する作用を持つものもあります。唾液の分泌量が多ければ酵素やホルモンも多く摂り入れられ、病気の予防効果が高まります。
よく噛むことによって顔の表情筋などの筋肉が鍛えられ、顔ヤセ効果や、肌のたるみやシワを防止し、若々しい肌を維持することにつながります。また、よく噛んで食べているときは首や背中の筋肉も連動させていますので、体を支える筋肉が強くなり、猫背を防止します。偏頭痛の改善にも効果があります。
食事はゆっくりと時間をかけて
急がず味わって食べましょう。食べ物によって違う噛みごたえを感じましょう。
『一口30回』を目安によく噛んで食べるようにしましょう。食べ物を飲み物で流し込まない
食事中はあまり飲み物をとらないようにしましょう。
よく噛むことで食べ物が細かくなり、自然に飲み込めるようになります。噛みごたえのある食材をとりいれる
雑穀や玄米にしたり、繊維質のものをとりいれるようにすると、噛みごたえがあり自然と噛む回数が増えます。食材は大きく、厚めに切る
みじん切りや千切りはいつもより粗めに刻むなどの工夫をして、自然によく噛んで食べられる食事を心がけましょう。
2018年1月15日 9:00 AM ishigami