2018.02.01 骨粗しょう症

  • 骨粗しょう症による骨折骨粗しょう症は骨量が減少することで骨が変形してもろくなり、骨折しやすくなってしまう病気です。
    脊椎が潰れたり変型したりすると、背中の痛みや腰痛も現れます。骨粗しょう症は女性や高齢者に多い病気で、高齢者の骨折では寝たきりの原因になることもあるのでとくに注意が必要です。

    また、女性は元々男性より骨量が少ないのに加え、閉経後は急に骨量が減少します。
    成人病検診では骨量にも注視しましょう。

  • 骨折のリスク
     

    骨粗しょう症によって骨折しやすいのは、背骨、脚の付け根、腕の付け根、手首です。
    骨折しやすい部位背中が痛いおばあちゃん
    とくに骨折がきっかけでそのまま寝たきりになってしまうことで問題となっているのが、脚の付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)です。

    また背骨が体の重みで押し潰されてしまい、背が縮んだり背中や腰が曲がってしまう原因となってしまうことも。
    単なる腰痛として見過ごしてしまうこともあるので注意が必要です。

  • 骨粗しょう症を予防するには?
     

    骨量は骨格の成長と共に20歳頃まで 増加し、成人期にピークを迎え、中高年期から次第に減少し始めます。
    骨量診断するお医者さん
    成人病と同じように、骨粗しょう症も若いうちから予防することが大切です。
    女性は閉経期以降、骨量が減少しますが、日常生活の過ごし方次第で減り方が大きく違ってきます。

    運動
     
    水中ウォーキングする年配女性食べ物からとったカルシウムを骨に蓄える為には、体を動かすことが必要です。

    歩行、ジョギングなど適度な運動は骨の新陳代謝を活発にし、カルシウムが骨に定着するのを助けます。
    膝への負担の少ない運動として、プールもおすすめです。

    日光浴
     

    カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDは日光浴で作られます。
    皮下脂肪にはビタミンDになる前の物質があり、日光の紫外線を浴びることによりビタミンDに変化します。
    ただし、日焼けするほど日光浴をする必要はなく、木漏れ日程度の日差しの下を散歩する程度で十分です。

    賢く食事
     

    乳製品、魚介類、大豆食品、青菜、海藻など、カルシウムを多く含む食品をたくさん摂りましょう。

    ビタミンDを含む食品と一緒に食べると、カルシウムの吸収がよくなります。

    たんぱく質や塩分の摂り過ぎはカルシウムの利用を悪くするので、適量を摂取しましょう。

    リンは穀類や肉類に、マグネシウムは幅広い食品に含まれ、両方とも骨の材料となります。
    しかし、リンの摂り過ぎはカルシウムの吸収を妨げるので注意しましょう。

    アルコールの飲み過ぎ、喫煙はカルシウムの吸収を妨げるので、できるだけ禁酒禁煙を心がけましょう。

  • カルシウムを上手に摂るコツ
     

    乳製品のカルシウムは、他の食品より吸収率がずば抜けて高いです。
    牛乳、ヨーグルトなら1日200~300ccを目安に摂りましょう。脂肪が気になる方は低脂肪のものを。

    味付けが濃いと塩分を摂りすぎてしまい、せっかくのカルシウムが尿と一緒に出てしまうので、味付けは薄めに。

    カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDは食品では魚や肉の肝臓、バター、卵黄などに多く含まれています。

    骨ごと食べられる小魚も、カルシウムが豊富で骨を強くしてくれる食品です。
    ただし、塩分の多い干物は食べ過ぎに注意しましょう。

    たんぱく質の摂り過ぎはカルシウムの利用を悪くしますが、食欲が落ちている高齢者はたんぱく質が不足しやすいので、1日3食で毎食1品程度は魚、肉、卵、大豆製品を使ったおかずを摂るようにしましょう。

    加工食品のリンの摂り過ぎはカルシウムの吸収を悪くしてしまいます。カルシウム配合ウエハースハム、ソーセージや練り製品、インスタント食品、スナック菓子には加工食品のリンが多く含まれますので、気をつけましょう。
    ウエハースやせんべいなど、カルシウムが強化された補助食品もあるので、上手に利用しましょう。