2018.02.01 歯周再生治療
- 今や40代以上の日本人の8割以上がかかっているといわれている歯周病。
歯周病は進行すると歯ぐきがやせてきたり、歯を支える歯槽骨が吸収されて歯がグラグラになってしまうこともあります。歯周病患者の多くは「また以前のように力強く噛むことはできないだろうか・・・」と再びしっかり噛める歯を取り戻したいという希望をもっています。
骨の再生を可能にする歯周再生治療とはどういうものなのでしょうか?
歯の寿命を延ばすために、歯周病で溶けてしまった骨を回復させます。
代表的な歯周再生治療には、次のようなものがあります。
歯周再生治療は歯肉を切って骨を露出させる必要があるので、ほとんどの場合、歯周外科治療と同時に行います。
エムドゲインというゲル状の材料を塗ることで歯周組織の失われた部分に組織の再生をします。
スウェーデンのビオラ社で開発された新しいブタ歯胚組織使用歯周組織再生用材料です。
その主成分は、子供の歯が生えてくる時に重要な働きをするたん白質の一種で、現在の科学水準に基づく高い安全性の確保のもと、若いブタの歯胚から抽出精製され、世界40カ国以上で使用されています。手術時間は約1時間で、痛みもほとんどなく簡単な手術です。歯根が分かれている奥歯には使えません。
前歯など一部の歯の歯周組織に限られています。
歯槽骨の量が不足している場合に、他の場所から骨を採取し補う治療を行います。
移植する骨は、本人の歯槽骨やあごの骨から採取する場合が多く、手術の範囲も限られています。
ケースによっては、歯槽骨や顎の骨以外からも調達する場合があり、人工の骨補填材などを使用する場合もあリます。手術時間はだいたい2時間程度で、静脈内鎮静法を施したのち、局所麻酔でおこないます。
GTR法は、メンブレンという特殊な膜を使用することにより、再生するためのスペースを確保し、再生を邪魔する歯肉の侵入をブロックし、失われた歯周組織を再生させる治療法です。
日本では1992年に「ゴアテックスGTRメンブレン」が厚生労働省に認可され、GTR法は、2008年に健康保険適応になりました。条件が良ければ歯周組織をかなり再生させることが可能です。
手術時間は1時間から2時間で、非吸収性のものはメンブレンを除去するための二次手術が必要になります。
歯周再生治療は、ほとんどの場合保険外の治療となります。
治療費はどの方法を行った場合でも、1ブロック当たり大体5~10万円程度となります。例えば奥歯1~2本だけ治療が必要な場合には1ブロックでよいこともありますし、全体的に治療が必要な場合には3~4ブロック必要になってくることもあります。
歯周再生治療を行えば、必ず骨が回復するというわけではありません。
歯周病が進行して骨の大部分が溶けてしまっているような場合には、歯周再生治療を行っても骨の回復が望めない場合があります。治療を行っても感染物質が徹底的に除去できているかどうかや、毎日のプラークコントロールがしっかりとできているかどうかなどがポイントとなります。
2018年2月15日 9:00 AM ishigami