-
高齢になると、むし歯や歯周病の進行で自分の歯を保つのが難しくなってきます。
厚生労働省の『令和4年歯科疾患実態調査結果』によると、45~54歳では1人平均1.4本、55~64歳では3.0本、65~75歳では6.0本、75~84歳では11.2本、85歳以上では14.1本、歯を失っています。失われた歯の代わりとして入れ歯を作り、その入れ歯とともに健康で快適な“健口ライフ”を送るためには、入れ歯のお手入れは欠かせません。
入れ歯はお手入れ次第で使用できる年数が大きく変わってきます。また、残っている歯やお口の粘膜のケアも忘れてはいけません。今号では、大切な「入れ歯のお手入れ」についてご紹介します。
天気の変化と体の不調
-
今年は桜の開花も当初の予報よりずいぶん遅れ、3月の後半は冷たい風が強く寒い日が続きました。
季節の変わり目のこの時期は、1年のうちで寒暖差が最も大きく、気圧の変動も大きくなります。また、新年度を迎え、入学や就職、転職や異動、それに伴って引っ越しなどで新生活が始まったりと、環境が大きく変化する季節でもあります。
-
朝夕と日中の気温差が大きいこの時期、頭痛や肩こり、めまいなど体の不調に悩まされる人が多くなります。
また、天気が崩れると首のこりや背中の張りがあらわれたり、古傷が痛んだり・・・ 中には関節痛や胃痛、疲労感や気分の落ち込み(うつ)などの症状があらわれることも。医学用語では『不定愁訴』といわれますが、気象の変化により自律神経の働きが乱れて起こるさまざまな不調について近年、「気象病」という名称で認識されるようになってきました。
-
気温や湿度、気圧の変化が引き金になって発症する「気象病」ですが、そのメカニズムは、耳の奥にある『内耳』が刺激を受け、自律神経である交感神経と副交感神経がバランスを崩すことで頭痛やめまいなどのさまざまな不調を引き起こします。
内耳には気圧の変化を感知し、脳に信号を送るセンサーがあるとされているからです。また恒温動物である人間は、一般的に7℃以上の寒暖差があると、体温調節に使うエネルギーの消費が大きくなり不調が出やすくなるといわれます。体温調節にも自律神経の働きが大きく関与しています。
-
以下のチェックリストの上2項目の両方、またはどちらか1つでも該当する人は高確率(80%以上)で気象病であると判定されます。
□ 天気が変化する時に体調が悪くなる
□ 雨が降る前や、天気が変わる前になんとなく予測ができる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
□ 季節の変わり目など気温差が大きい時に体調が悪い
□ 耳鳴りやめまいが起こることが多い
□ 乗り物に酔いやすい
□ 古傷があり、ときどき痛みが出る
□ 運動習慣がなく、ストレッチや柔軟体操などをほとんどしない
□ 姿勢が悪い(猫背、反り腰)
□ 歯の食いしばりや歯ぎしりをする、顎関節症である
□ 日常的にストレスを感じている気象病を訴える人の多くは10~50代の女性です。
生理周期や更年期など女性ホルモンの影響を受けやすいPMS(月経前症候群)や更年期障害の症状と重なることで、さらに強い症状に悩まされることがあります。 -
《自律神経を整えましょう。》
・栄養バランスの取れた食事、特に朝食は抜かずにしっかり摂りましょう
・散歩やヨガなど、適度な運動を行いましょう
・シャワーのみではなく、ゆっくりお風呂に浸かりましょう
・着脱可能な服装やアイテムを取り入れて、暑さ寒さに対応できるようにしましょう
・良質な睡眠をとりましょう(夜更かし、深酒などはNG)
・自律神経の乱れに効く内関のツボを心地よい程度に指圧しましょう
・内耳の血行を促す「耳まわし体操」は頭痛の緩和に即時効果が期待できます