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さまざまな合併症を引き起こすことから、生活習慣病として悪名高い『糖尿病』。
生活習慣病とは、その名の通り「食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒等の生活習慣がその発症・進行に関与する疾患群」です。血糖値が常に高い状態が続くのが『糖尿病』ですが、「隠れ糖尿病」ともいわれる、食事によって血糖値の急激な変動を引き起こす“予備軍”の段階があるとのこと。
健康診断で空腹時の血糖値が安定していても、もしかしたら自分にも“予備軍”のサインが見つかるかも・・・!?その予備軍のサインがどんなものなのか、調べてみました。
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私たちが食事で摂ったごはんやパンなどの炭水化物は、胃や腸で分解されブドウ糖になります。ブドウ糖は血液に吸収され肝臓へ運ばれ、グリコーゲンとして肝臓に貯蔵されます。貯蔵されたグリコーゲンは必要に応じて全身へ運ばれ、エネルギーとして消費されます。
このような変化を『糖代謝』といいますが、糖尿病はこの糖代謝のメカニズムがうまく働かなくなって起こる病気なのです。このメカニズムに欠かせないのが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンで、現代の生活習慣が影響してインスリンの分泌量が減ったり働きが悪くなったりすると、糖代謝がうまくいかなくなり高血糖の状態が続いてしまいます。
自己免疫反応により膵臓のβ細胞が破壊されているため、インスリンが分泌されないことで発症する1型糖尿病と違い、生活習慣に直結してあらわれるのが2型糖尿病です。
日本人のおよそ3割は糖尿病になりやすい遺伝子を持っているといわれていて、そこに肥満や運動不足、ストレスなどの環境因子が加わって発症すると考えられています。 -
早朝の空腹時血糖値が126㎎/㎗以上、あるいはブドウ糖負荷試験2時間値または随時血糖値(食後からの時間を決めずに測定)が200㎎/㎗以上の場合に「糖尿病型」と判定され、別の日にもう一度検査をして再び「糖尿病型」と判定されると、『糖尿病』と診断されます。
私たちが受ける一般的な健康診断では、空腹時に採血をして血糖値を測ります。
しかし、空腹時血糖値は正常範囲でも食後に急上昇(食後高血糖)する人がいます。「血糖値スパイク」とも呼ばれとくに注目されるようになってきました。体質的にインスリンの分泌が少ない人は、食後の血糖値の上昇を抑えられないために鋭く上がりやすく、血糖値スパイクを起こしやすくなります。
また、もともとインスリン分泌が亢進気味な体質の人もいます。そのため高血糖状態になりにくいのですが、肥満を合併しやすくなります。
肥満であるにもかかわらず、血糖値が低いという人も注意が必要です。健康診断で血糖値が正常範囲の人でも糖尿病予備軍かどうかの指標となるのが、食事の影響を受けにくいヘモグロビンA1cの値です。
☆ 血糖コントロールの指標
(血液中の割合を調べることで、過去1~2ヶ月の血糖値を推測することができる)→ 6.1%を超えると要注意
「糖尿病型(糖尿病が強く疑われる)」→ 5.6%以上6.1%未満
「境界型(糖尿病の可能性を否定できない)」→ 5.6%未満
「正常型」 -
かつては見逃されていた、糖尿病ではないけれど「境界型」と呼ばれる糖尿病の予備軍が、ブドウ糖負荷試験などによって判定されるようになりました。
健診の結果から予備軍のサインを見つけることができれば、早期治療や生活習慣の改善につながります。定期健診は毎年欠かさず受け、気になることがあればかかりつけ医に相談しましょう。
on 2023年7月31日
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