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「しっかり噛める」こと。それって丈夫な歯がそろっているということでしょうか・・・?
しっかり噛むことができるためには『歯の健康』だけでなく、『口周り全体』が健康でなくてはなりません。小さなお子さんをお持ちの親御さんは、乳歯のうちから『よく噛む』ことを習慣にして、歯だけでなく、口周りの骨格や筋肉もしっかり成長させてあげましょう。
そして年を重ねて噛む力が弱ってきたなと感じている人は、ご自身の『食』のバランス、『体』のバランス、『心』のバランスが整っているかを見直してみてください。 -
乳歯から永久歯に生えかわるとき、最初に生えてくるのが第二乳臼歯の奥、第一大臼歯です。
この歯は一般的に6才前後に生えてくるため「六才臼歯」とも呼ばれています。この歯は噛む力が最も強く、噛み合わせの要となる重要な歯です。下あごは上下の動きだけでなく横への動きも連動させて、上と下の奥歯同士で食べ物をすりつぶす役割があります。
噛み合う高さや力加減を決定づけているのも、第一大臼歯を中心とした奥歯なのです。 -
よく噛んで食事をするとどんな効果があるのでしょう。
しっかり噛んで食物を細かく砕き、唾液とよく混ざり合うことで栄養を吸収・消化しやすくなります。また時間をかけて食べることにより、脳内の「満腹中枢」が刺激されます。
これにより満腹感が得られ、必要以上に食べなくなるので、肥満を予防することができます。他にもたくさんの効果が期待できます。
よく噛むことは血液循環を高め、脳に刺激を与えます。
その結果、脳が活発に働くので集中力や記憶力がアップします。よく噛んで食べることは、認知症の予防にも効果的です。
唾液には自浄作用があり、口の中に残った食べ物やプラークを洗い流し、むし歯菌や歯周病菌が棲みにくい環境にしてくれます。
また唾液の中には体に良い影響を及ぼすホルモンや酵素も含まれています。その中にはがんを消す作用を持っているもの、糖尿病の症状を改善する作用を持つものもあります。
唾液の分泌量が多ければ酵素やホルモンも多く摂り入れられ、病気の予防効果が高まります。
よく噛むことによって顔の表情筋などの筋肉が鍛えられ、肌のたるみやシワを防止し、若々しい肌を維持することにつながります。
また、よく噛んで食べているときは首や背中の筋肉も連動させていますので、体を支える筋肉が強くなり、猫背を防止します。偏頭痛の改善にも効果があります。 -
噛む力が衰えてくると、知らず知らずのうちに食べやすいものばかりを選びがちになります。
そうなると食のバラエティさが狭まって、食事の楽しさも半減してしまいます。- 好物なのに、食べにくいので避けているものがある
- 食べ物を飲み込むまで以前より時間がかかるようになった
- あまり噛めずに、丸飲みにすることがある
- うどんなどのやわらかい麺類やパン、やわらかく炊いたご飯などを食べることが増えた
- 生野菜など、食物繊維の豊富な食品を食べにくいと感じる
- 歯を抜けたままにしている
- 歯みがきのときに歯ぐきから出血する
噛む力を維持するためには、歯を失う原因となる歯周病の改善や、失った歯の代わりとなる義歯を入れて、
お口の環境も整えましょう。
しっかり噛めるようになると『体』のバランスも整います。 -
しっかり噛めて口から食べるおいしさを感じることが、食べる機能を持続させてくれます。
この食事と心身のよい循環をいつまでも保ち続けていけるように、毎日のブラッシングと、定期的な歯科検診もお忘れなく!
on 2023年2月13日
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