-
『フッ素』と聞いて一番最初に思いつくのは、料理をする人であればこびりつかないフライパンの「コーティング」として知られるフッ素樹脂ではないでしょうか!?
このフッ素がむし歯予防に活用されていることは一般的に知られるようになってきましたが、いったいどんな物質で、歯にどのような効果をもたらすのか? 気になっているけれど実際よくわからない、そんな人も多いのではないでしょうか。 フッ素は自然界の水や食べ物などに広く含まれるミネラルのひとつで、もちろん人体にも存在しています。
とくに海中に生息する魚介類や海草には比較的多くのフッ素が含まれていることがわかっています。★ppmとは、100万分の1の割合を表す単位
ある物質1kg中に1mgのフッ素が含まれている場合、その物質のフッ素濃度は1ppmとなる太古の昔から広く存在する自然環境物質ですから、人間が新しく作り出した薬や添加物とは全く異なるものなのです。
一般的には「フッ素」と呼ばれていますが、反応性の高さから通常単体では存在しません。
ナトリウムと結びついたフッ化ナトリウム、カルシウムと結びついたフッ化カルシウムなどのように、さまざまな物質と結びついて「フッ素化合物(フッ化物)」として存在しています。フッ素には・・・
① 歯のエナメル質を強化させ、酸に溶けにくい強い歯にする。
② 歯の再石灰化(溶けだしたカルシウムを再び歯の表面へ戻す)を促進する。
③ 抗菌作用でむし歯菌の働きを抑え、酸の産生を抑制する。
などの効果があります。私たちにとっていちばん身近なのは、市販の歯みがき剤に含まれているフッ素です。
一般的な歯みがき剤に含まれるフッ素濃度はだいたい500~1500ppmです。その他、各自治体や教育機関での集団フッ化物洗口や、歯科医院で任意に行われる定期フッ化物塗布などがあります。
*フッ化物配合歯みがき剤*
食後の正しいブラッシングで食べカスや歯垢を取り除き、効果的に歯質を強化
(口腔内にフッ素をとどめておくことが有効なので、すすぎは軽めに)*フッ化物洗口*
週に1~2回低濃度(450ppm~900ppm)のフッ化物水溶液で1分間程度ブクブクうがいをする方法
(自治体が推進するフッ化物洗口のガイドラインに沿って、保育園や幼稚園、小学校にて保護者の了解を得られた幼児・児童に対して実施)*フッ化物歯面塗布*
年に2~4回程度クリニックで高濃度(9,000~12,300ppm)のフッ化物を塗布する方法『水道水フロリデーション』ということばを聞いたことはありますか?
家庭で利用する水道水をむし歯予防に効果的なフッ素濃度に調整し、その水道水を摂取することで全身に応用する方法です。世界ではアメリカ、オーストラリア、香港、シンガポールなど多くの国で導入されています。公衆衛生上の健康格差を縮小する施策としても有効であることから、世界保健機関(WHO)をはじめとする世界中の専門機関でもその普及を支持しています。
日本でも過去に何度か実施されていたことがありましたが、現在はどこの自治体でも行われていません。私たち日本人は、自らが定期的に歯科医院でチェックや塗布を受けたり、フッ素入り歯みがき剤を使用した毎日の歯みがきでしっかり予防に取り組んでいくことが大切ですね。
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-010
(厚生労働省:健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ より)
on 2025年10月15日
with コメントはまだありません
Latest posts from areanet-admin
Recent Posts
毎年5月31日は『禁煙デー』です
毎年5月31日は世界保健機関(WHO)の定める世界禁煙デーです。また、厚生労働省では5月31日から6月6日までの1週間を禁煙週間としています。今年の禁煙週間のテーマは 「受動喫煙のない社会を目指して ~私たちができること … Read More
Comments are closed.