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超高齢社会に突入した今、生涯自分の歯で食べる喜びを実感し、充実した食生活を送り続けるために、虫歯や歯周病を防いで歯を失わない、『予防歯科』の考えが注目を集めています。
「骨太の方針2022」でも“生涯を通じた歯科健診(国民皆歯科健診)”の推進に取り組むことが記載されました。自分の歯で食べることが毎日の食事を豊かにすると共に、心身の健康を維持する働きをしてくれます。
人生100年時代、あなたは何本自分の歯を保ち、その歯で食事を楽しんでいることができるでしょう。 -
『8020(はち・まる・にい・まる)運動』は、1989年(平成元年)から厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱し、開始された「80歳になっても20本以上は自分の歯を維持できるようにしよう」という運動です。
開始当初の達成率はわずか10%にも満たなかったといいます。大人の歯は、親知らずを除くと上下合わせて28本あります。
仮に上下左右の奥歯を2本ずつ失うとマイナス8本ですが、残存歯数が約20本あれば食品の咀嚼をほぼ満足に行うことができるとされています。
そしてこれが8020運動の基本理念でもあります。 -
歯の喪失の2大原因は、むし歯と歯周病です。
一般的に歯は奥歯から失われる傾向にあり、喪失原因を世代別にみると、むし歯と矯正、外傷による破折が若い世代に多く、中高年には歯周病とむし歯が多くみられます。知らず知らずのうちに進行する歯周病は、成人の8割以上がかかっているといわれています。
不規則な生活や喫煙など、生活習慣の乱れやストレスが歯周病の進行に大きく関わってきます。 -
むし歯や歯周病によって歯を失うと、たとえそれが1本だけであっても口の中にさまざまな影響を与えます。
例えば臼歯を1本失うと、すべての歯が揃っている時と比べて噛む力は40%にも減少します。
抜けたのが前歯であれば、歯が抜けた箇所から空気が漏れるためうまく発音することが難しく、もちろん見た目の美しさも損なわれることになります。また、「1本ぐらいはいいだろう」と自己判断で歯を補うことなく放っておくと、支えを失った隣の歯が倒れてきたり、抜けた歯と噛み合う歯が伸びてきたりすることがあります。
そうなると、歯並びにずれが生じて噛み合わせが悪くなり、食事がしにくくなったり食べることができるものが制限されることもあります。もし何らかの理由で歯が抜けてしまった場合は、できるだけ早く治療を受け、抜けた箇所に「ブリッジ」か「入れ歯」、「インプラント」いずれかの処置をすることが必要になります。
抜けた歯を放置しておくことは、他の歯の寿命を縮めることにもつながるので、一刻も早く歯科医院での治療を開始することをお勧めします。 -
- ゆっくりよく噛んで
- 噛みごたえのある食品を食事にとりいれる
- 1日3回なるべく時間を決めて食べる
- 糖分入りの飲みものはできるだけ避ける
- 食後、就寝前の歯みがき習慣
- 磨き残しのチェック
- 歯間ブラシやデンタルフロスを上手に利用しよう
- むし歯や歯周病の早期発見、早期治療が可能に
- 磨き残しがちな箇所のブラッシング指導や口腔内クリーニングを受けることで更に効果的に!
開始当初、達成率50%を目指して推進された8020運動も、今では多くの国民に認知され、平成28(2016)年には目標達成率を更新しました。
80歳になってもしっかり自分の歯で噛んで食事を楽しめるということは、生活の質(QOL)を良好に保つことができます。「よく噛む」ということは『健康寿命』を伸ばすための大切な要素です。健康寿命とは、寝たきりや痴呆にならないで、健康で明るく元気に生活する期間のことです。
今後も8020達成者を増やして健康寿命を伸ばし、健康長寿社会の実現を目指していきましょう!
on 2023年3月10日
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