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歯を失う原因No.1といわれる歯周病は、口腔内に棲みつく細菌による感染症です。かつては「歯槽膿漏」と呼ばれていました。
歯周病菌が繁殖して歯肉に炎症が起こり、腫れたり出血したりして、徐々に歯の土台である歯槽骨を溶かし、最終的には歯が抜け落ちてしまう病気です。日本人の成人のおよそ8割が歯周病に罹っているといわれています。
春の不調
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季節の変わり目のこの時期は、1年のうちで寒暖差が最も大きく、気圧の変動も大きな季節です。
また、新年度を迎え、入学や就職・転職や異動、それに伴って引っ越しなどで新生活が始まったりと、環境が大きく変化する季節でもあります。変化が多いこの時期は、いつの間にかストレスをため込んでしまい、心身に不調をきたすことが多いようです。
オーラルフレイル
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多くの人の一生は《健康→虚弱→要介護→終末期》という流れをたどりますが、この過程の「虚弱」を「フレイル」と呼びます。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、英語の「Frailty(弱さ、もろさ、はかなさ)」を語源としています。
同じく英語の「Oral(口腔の)」と組み合わせて、口の三大機能「噛む」「飲み込む(嚥下)」「しゃべる」などの口腔機能が衰えることを「オーラルフレイル」と呼んでいます。オーラルフレイルは高齢者のみならず、十分な咀嚼をしなかったり、バランスの悪い食事によっては、若いうちから始まります。
フレイルには進行の程度によって段階があり、オーラルフレイルは、心身全体のフレイルの初期に現れ、最初は小さな変化のため見逃しやすいのですが、早目に気付き適切な対応をとることで改善が期待できます。オーラルフレイルと全体的なフレイルは相互に密接な関係があり、症状に気付いたら放置しないことが大切です。
口腔アレルギー症候群
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特定の食材による口腔内の反応を「口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome;OAS) 」と呼びます。
食物アレルギーの一種で、特定の食物に含まれるアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)が、口の中の粘膜に触れて起こるアレルギー反応です。花粉症と関連があり、その他には、気管支喘息の既往のある方、即時型食物アレルギーの既往がある方、薬剤アレルギーの方、ラテックスアレルギーの方も発症する可能性があります。
既往のアレルギーが重症化するにつれ、ある日突然、口腔アレルギー症候群を発症します。
主な原因食品は、果物、野菜や豆類で、幼児期~大人まで幅広く見られます。特に花粉が飛ぶ時期に症状が出たり悪化したりします。
春の花粉飛散のピークを迎え、今回は特に、花粉症と口腔アレルギー症候群の関係性に着目してみましょう。
TCH(歯列接触癖)
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スマートフォンやパソコンに夢中になっていると、無意識に歯が噛み合っていることはありませんか?
また、何らかのストレスを感じているときも、あごの筋肉が緊張して無意識に噛みしめてしまうことがあります。
ギュッと強く噛みしめているわけではなくても、長時間歯と歯が接触していることによって、知らず知らずのうちに、あごの関節やそれを支える筋肉の緊張・過負担によってさまざまな症状が引き起こされてきます。知覚過敏の症状がある、食事中にあごがカクカク鳴る、口が大きく開かない、あごが痛むなどの症状はありませんか?
コーヒーの効果
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『嗜好品』として日常的に人々に好まれているコーヒー。嗅覚を刺激するその香りや、味覚を刺激する酸味や苦み、特別なこだわりをもって愛飲している人も多いのではないでしょうか。
コーヒーは疫学調査論文も多数発表されていて、他の嗜好品飲料であるお茶やワインなどとともに健康へのさまざまな効果も報告されています。コーヒーはちょっと苦手、という人も多いかもしれません。実は私も飲めるようになったのはここ3・4年のことです。それまでは紅茶派でした。
やっとコーヒーの美味しさが分かってきたばかりのひよっこですが、いろいろ調べてみたのでご紹介します!
親知らず
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親知らずとは、顔の中心の歯から奥の方へ数えて8番目に生えてくる歯(第3大臼歯)のことで、智歯(英:Wisdom Tooth)とも呼ばれています。
乳歯が永久歯に生え替わる時期と異なり、親知らずの多くは20代前後に生えてくるため、『親の手を離れてから生える歯』という意味で、日本では『親知らず』と言われている説が一般的なようです。
セルフメディケーション
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2020年も残すところあと1か月となりました。新型コロナウイルス第3波の脅威が押し寄せる中、再び医療体制のひっ迫が懸念されています。
私たちはこの一年間、感染を防ぐためにさまざまな予防策を行ってきました。
ひとりひとりが日々をいかに健康に過ごすかを積極的に意識し、家族だけでなく、職場や学校など身近で一緒に過ごす人たちへの配慮にも努めてきた1年だったのではないでしょうか。
摂食と嚥下(えんげ)
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「ぱくっ、もぐもぐもぐ、ごっくん。」
これは私たちが食事の際に何度も繰り返す、一連の動作を表現したものです。一見簡単に思える動作ですが、じつはとても複雑で、口や舌、のどのさまざまな機能が上手に連携をとりあい成り立っています。普段私たちは、とくに意識することなく食べ物を口へ運び、咀嚼し、飲み込む動作や、言葉を発する「発話」を行なっていますが、脳卒中などの病気の後遺症や加齢が原因でうまくできなくなってしまうことがあります。